鹿屋大崎ソーラーヒルズ 災害復旧から学ぶ

2021.05.27

5月よりKOSH(鹿屋大崎ソーラーヒルズ)の災害復旧本体工事がスタートしました。
7月完成に向けて、現場、本社、協力会社一丸となってご尽力いただき誠にありがとうございます。
復旧工事に当たって「自ら考え行動する」を実践し、成功した事例を紹介します。

1. 道路・水路上空パネルレイアウト

豪雨災害で被災したエリアは主に沢部かつ地形が入り組んだ地域に集中しています。

さらに被災現場は土砂崩れで流れてきた土砂が堆積した地形となっており、地盤はゆるく再度パネルを設置するには不適切なエリアとなってしまいました。

従って、被災したパネルの多くを他の場所へ移設することが求められたのです。ここで、単に同様な物を移設するのではなくより良い発電所に出来ないかと現場や設計を中心に検討いたしました。その結果誕生したのが道路・水路上空設置です。

現在はメンテナンス等に利用されている道路・水路上空に高効率の両面パネルを設置することで、限られた用地の中で安価かつ効率的に設置できるのではないかと考えました。最近は多くのメーカーが生産している両面パネルを用い、さらに設置位置を高くすることで、裏面に反射光を取り入れ、発電量を高めることが出来るというものです。

実際に入り組んだ複雑な地形に設置されていたパネルは発電効率が悪いのが現状でした。これを発電特性が同じような設置に変更することで、発電量が約40%向上することが計算で求められました。

これらの結果を踏まえて、1ストリングス・1アレイの道路・水路上空パネルレイアウトが完成したのです。

また、施工にあたっては専用の足場ユニック台車を作成し、安全・安価・早く施工できる工法を考案いたしました。

2. 複合化した電気回路設計の実現

移設するパネルには高効率かつ両面発電のパネルの採用を決めましたが、現在設置しているパネルと特性が異なります。
異なったパネルが併存する場合、パワコン毎のMPPT制御の元では性能を発揮することが出来ません。

そこで、現地調査班と設計が協力し合い、パワコン毎の破損状況と復旧の際の配線をどうするか、一つ一つ検討し、高効率パネルをまとめて設置する、さらに新旧パネルが併存するパワコンについてはMPPT制御をストリングスごとに細分化できるオプティマイザーを採用することにいたしました。

しかし、大規模に採用した前例がなく、パワコンメーカーも保証できないとのことでした。従って、GFが実証する以外にないと考え、オプティマイザーメーカーであるAmpt社と共に実証実験を行い、その結果、支障なく効果が出ることが確認でき、今回4つのパワコン全てのストリングスに採用することにいたしました。

現場は技術の結晶です。各々の現場で様々な技術開発・改善が創造されるのです。現場に勤務する皆様は現場管理だけが仕事ではありません。施工・発電所をより良くしていくため、常に「自ら考え行動する」が必要なのです。そしてその行動が自分自身、更にはGFの差別化につながり、仲間を含めた全員の物心両面の幸せを実現していくのです。

代表取締役 藤崎耕治